四国の北東部にある香川県は、日本で一番面積の小さな県です。温暖で雨が少なく、大きな川も少ないため、渇水対策として県内には約1500以上ものため池が作られています。なかでも、空海が改修したとされる「満濃池(まんのういけ)」は周囲が約20kmもあり、国内最大級の規模を誇ります。小麦に加え、塩や醤油、いりこの生産が盛んだったこともあり、古くからうどん文化が根付く香川県ですが、最近では「うどん県」とも呼ばれるほどのうどんブームとなっています。県内のうどん屋の数は約600~700件とも言われ、独特のコシのあるうどんを食べに県内外から多くの観光客が訪れます。専用のバスやタクシーを利用して、有名うどん店を周るツアーも人気ですし、うどんが作られる工程を見学できる工場や、自分でうどん作りが体験できる施設もあります。
また香川県には、1368段もの長い石段で知られる「金刀比羅宮(ことひらぐう)」や、「栗林公園(りつりんこうえん)」など、歴史的な名所もあります。特に栗林公園は、平庭だけで東京ドーム3.5個分という壮大なスケール。紫雲山を借景とし、大きな池や築山で表現された景色は、国際的にも高く評価されています。
さらに、2010年にスタートし、3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」も注目を集めています。開催年には、春・夏・秋の3シーズンにわたり、瀬戸内海に浮かぶ12の島と、高松港周辺・宇野港舞台に、多くの現代アートが展示されます。期間中の総来場者数は毎回100万人以上を数え、訪れる人々はフェリーで島々を巡りながら作品を鑑賞することができます。